事故炉廃止措置・環境修復プロジェクト

(1)原子炉廃止措置基盤研究センター

安全・着実な廃炉を実現するためには、極めて広範囲の学術と技術の結集が必要であり、全学的な取組が不可欠であることから、全学を横断した組織である原子炉廃止措置基盤研究センター(CFReND)を2016年12月に設置しました。
本センターの主たるテーマは、福島第一原子力発電所の安全・着実な廃炉に資する基礎研究と基盤技術開発です。本研究における成果は通常炉の廃止措置技術へ展開・応用が期待できます。また、今後の原子炉廃止措置を担う若い技術者や研究者の育成も行っています。

(2)放射性物質によって汚染された生活環境の復旧技術の開発

福島第一原子力発電所の事故で飛散した放射性物質によって、家屋、田畑、山林、学校などの生活環境が汚染されました。地域住民の健康への影響に加え、農林水産物の放射能汚染は生産者及び消費者の生活に大きな影響を与えています。
本プロジェクトでは、放射性物質によって汚染された生活環境の復旧技術の開発を目指します。また、放射性検査機器の開発や、被災自治体と連携して最適な除染方法の検討・提案も行っています。

(3)被災動物の包括的線量評価事業

福島第一原子力発電所の事故によって、大量の放射性物質が環境中へ放出され、長期にわたる継続的な放射線被ばくがヒトの健康にどのように影響するのか、不安が広がっています。
本プロジェクトは、原発事故に伴い警戒区域に指定された地域の家畜や野生動物への影響を継続的に調査しています。放射性物質による環境や内部被ばくの生物、ヒトへの影響を正しく知り、今後の放射線防護に役立てることを目指しています。また、得られた貴重なデータと試料を後生で解析可能とするために、被災動物臓器のアーカイブを構築しています。