復興へ 東北大学の使命

2011年3月11日の東日本大震災発生当時、私が病院長に就いていた東北大学病院は、幸いにも病棟にほとんど損傷がなく、病院機能の速やかな回復に努めると同時に、外傷者の対応に当たりました。「最前線の病院を絶対に疲弊させないように全力で裏方に徹する」を合言葉に、スタッフ一丸となり、甚大な被害を受けた沿岸地域への医師の派遣や、患者の無条件受け入れなど、最大限の努力をしました。

あの大震災の惨禍から、被災地の一部では復興の兆しが見え始めているものの、本格的な復興はこれからです。

私は、2012年4月に新しい総長として就任する際、6年間の任期中の目標の1つとして「東北の復興・日本再生の先導」を掲げました。東北大学は、被災地域の中心にある総合大学として、復興に全力を傾けていく歴史的使命があります。震災直後に立ち上げた「東北大学災害復興新生研究機構」の諸活動を通して、新しい知を創造し、地域の再生を力強く支援します。また、産官学の連携を通して、新たな産業を興し、雇用を増やして東北の活性化を図り、ひいては閉塞感のある日本そのものを牽引するエンジン・原動力の役割を果たします。

本当の意味で、我々の力が試されるのはこれからです。国内外の多くの皆様からのご支援を支えに、たゆまぬ努力を続けていきたいと思います。

 

 

「日本復興の先導」を目指して

東北大学は、震災直後の2011年4月に総長を機構長とした全学組織「東北大学災害復興新生研究機構」を設置し、日本復興の先導を目指して、研究・教育・社会貢献に取り組んでいます。

私は、里見総長より、震災復興推進担当の理事に任命されました。本学の取り組みの成果を広く社会に発信し、被災地域の再生に寄与するとともに、人類に共通する災害復興問題に貢献するべく、情熱を傾ける所存です。

現在、新設の「災害科学国際研究所」における災害サイクル全般にわたる国際研究、「東北メディカル・メガバンク機構」を中核とした地域医療人材育成と最先端医学研究など、8つの大学全体の重点プロジェクトを本格始動させています。また、教職員が自主的に取り組む復興支援プロジェクト「復興アクション100+」では、100を超える多様な活動が展開されています。

東日本大震災の被災地域の復興と我が国の再生に向けた本学の取り組みに皆様のご支援、ご協力をお願い申し上げます。